テントシートなど防炎生地と不燃生地の違いとは?

防炎生地と不燃生地を徹底比較

テントシートやカーテンなどには「防炎生地」という素材と「不燃生地」という素材があります。どちらも、火災の広がりを抑制する生地になりますが、この2つの生地にはどんな違いがあるのでしょうか?

今回は「防炎生地」と「不燃生地」の違いと、それぞれのメリットデメリットをご紹介していきます。

防炎生地とは一体どんなもの?

防炎生地は「火が着きにくく、着火しても燃え広がらない」よう加工された生地で火種があるうちは溶融して燃焼しますが、火種がなくなると自己消火します。

一般に言われる防炎品の認定は公益社団法人日本防炎協会が行っておりますが、テント倉庫などの建築物に使用する生地はJIS A1322(建築用薄物材料の難燃性試験方法)に規定されている防炎2級試験に合格した物でなければなりません。

不燃生地とは一体どんなもの?

一方の不燃生地とは「火の粉が乗っても燃え抜けない生地」です。樹脂製の表皮の間に「ガラス基布」というグラスファイバーを織った生地が挟まれているため火の粉を貫通させません。 20分間燃焼しない・防火上有害な損傷がない・避難上有害な煙又はガスを発生させないといった基準をクリアするもので認定は国土交通大臣によってなされます。

不燃という表記で「全く燃えないのか?」と多くの方は思ってしまいますが、そんなことはなく完全には燃え抜けないだけの生地となっています。

不燃生地と防炎生地の違いについて

防炎と不燃の生地それぞれの上に点火したマッチを乗せその損傷の度合いを観察しました。 使用した生地は防炎品はターポリン0.35t、不燃品は不燃ターポリンRG4200FDです。

双方ともマッチを置いて約5秒後に鎮火しました。損傷状態として防炎品は火が接していた部分は完全に穴があいてしまっています。それに対し不燃品は表面の樹脂は溶けてしまっていますが、中のガラス繊維の基布が貫通を防いでいるのが確認できました。

防炎(ターポリン0.35t)
着火 鎮火 損傷状態(表面) 損傷状態(裏面)
着火 鎮火 損傷状態(表面) 損傷状態(裏面)
不燃(不燃ターポリンRG4200FD)
着火 鎮火 損傷状態(表面) 損傷状態(裏面)
着火 鎮火 損傷状態(表面) 損傷状態(裏面)

防炎と不燃のメリット、デメリット

防炎生地や不燃生地を使うと、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?簡単にまとめておきます。

メリット

防炎生地や不燃生地を使っておくと、火災の燃え広がるペースを鈍化させるメリットがあります。消防法では、防炎生地のカーテンを使用することが義務付けられている施設もあります。
病院やホテル、飲食店などの不特定多数の人が出入りする施設がそうです。さらには、31m以上の高さのあるマンションなどでも、防炎生地のカーテンを使わなければいけません。

テント倉庫では防炎もしくは不燃の生地を使用することが義務付けられています。当社のテント倉庫で使用している生地は全て防炎か不燃の機能を持っています。

防炎生地は燃え抜けて穴があくこともありますが、不燃生地は燃え抜けも防げるため、裏側の生地まで炎は通りません。
穴が開かないことにより、飛び火による火の粉が貫通して建物内に侵入、内部の可燃物に引火し類焼してしまうことを防ぎます。

デメリット

防炎生地や不燃生地を使うデメリットとしては、設置する価格が高くなってしまう事です。
特に不燃生地には、ガラス基布が使用されているため、防炎生地よりもさらに価格が高いです。

また、不燃生地はガラス繊維の影響で生地が硬くなります。カーテンなどに使用すると多少ゴワツキがあります。
強度面でも引っ張り方向の力は強いですがガラスの割れ方向に当たる引き裂き強度、屈曲に対する強度は弱くなります。

テント倉庫でも、伸縮するタイプの「可動式テント」には不燃生地を使用することができません。(防炎生地は使用可能)
建設地域によっては防炎もしくは不燃を指定される場合もあるので、「好きな生地を選べない」という可能性があります。

当社ではお客様の用途・建設場所・目的などによって、倉庫を1つ1つオーダーメイドで建設しております。
希望の生地が使用できない場合も、似た性能をもつ生地などをご提案することも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

テント倉庫には、防炎と不燃はどちらがいいか?

テント倉庫には必ず「防炎生地」か「不燃生地」を使用しなければいけません。では、防炎生地と不燃生地だとどちらでもいいのか?となると、そういうわけではありません。以下の通りに定められているのです。

倉庫内に保管する物品が不燃性の場合

・床面積1000㎡以下で延焼の恐れがある部分→不燃生地
・床面積1000㎡以下で延焼の恐れがない部分→防炎生地

倉庫内に保管する物品が可燃性の場合

防火地域

・床面積100㎡以下で延焼の恐れがない部分→不燃生地
・床面積500~1000㎡以下で延焼の恐れがない部分→不燃生地

準防火地域

・床面積500㎡以下で延焼の恐れがない部分→屋根は不燃、外壁は防炎
・床面積500~1000㎡以下で延焼の恐れがない部分→不燃生地

延焼の恐れのある部分

→不燃生地

この通り、倉庫内にどんな物を保管するのか?どこに建設するのか?で不燃生地を使わなければいけないか否かが決められています。一番安心なのは、不燃生地でテント倉庫を作る事ですが、コスト的な問題も関わります。

そこで、建設する場所、倉庫内に保管する物を良く見定めて、防炎生地で賄える部分は防炎生地を使ったテント倉庫を建てられるといいでしょう。

詳しくは生地の選び方をご覧ください。

生地の選び方

防炎シートの種類

 

テント倉庫に使える防炎シートにはどんな種類があるのでしょうか?一般的な物を挙げておきます。

ハリケーン

1つ目は「ハリケーン」です。こちらは日本の最大手生地メーカー、テイジンが製造している防炎シート。0.47mmの厚さで比較的厚手な事が特徴です。表面にはフッ素防汚加工を施してあるので、汚れの付着しにくい生地となっています。

ハリケーン®

カラー 全23色

吸水防止
UV CUT
フッ素加工
防炎

ウルトラマックス

2つ目は「ウルトラマックス」です。こちらは平岡織染が製造している防炎シートになります。同じく0.47mmの厚みがありしっかりとした生地感です。防炎の他、防水、防汚、UVカットなどの機能があることも特徴になります。

ウルトラマックス®

カラー 全25色

吸水防止
UV CUT
フッ素加工
防炎
RoHs

不燃シートの種類

 

一方の不燃シートの種類はこちらです。

FG-8F

不燃シートの種類1つ目はテイジンの「FG-8F」です。厚みが0.57mmあり、しっかりとした重厚感があります。表面は光沢を抑えたマットな仕上がり。耐用年数も長く、大型のテント倉庫の屋根などに使われることが多いです。

FG-8F®

カラー 全13色

吸水防止
UV CUT
フッ素加工
不燃

ターポロンG-3500

2つ目は「ターポロンG-3500」です。こちらは平岡織染が製造している不燃シートになります。厚みは0.53mmの厚みがありこちらもしっかりとした生地感です。表面は光沢のある仕上げとなっております。

ターポロン®G-3500

カラー 全16色

吸水防止
UV CUT
フッ素加工
不燃
RoHs

まとめ

というわけで、今回はテント倉庫に使う防炎生地と不燃生地の違いについて、詳しく解説してきました。

テント倉庫を設置するうえで、どんな生地を使わなければいけないのか?は基礎知識として知っておくべきです。

業者と打ち合わせを進めていく中でも、防炎と不燃の違いを事前に理解しておくことで、よりスムーズな交渉が可能になるでしょう。テント倉庫の活用の方法に合った、生地を選んでいきましょう。

また、どの生地を選んでいいかわからない・迷っているなど、お気軽にお問い合わせください。お客様に最適なテント倉庫・生地についてご提案させて頂きます。

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