テント倉庫 導入ガイド

1.テント倉庫とは

テント倉庫(シートハウス)

テント倉庫を導入するにあたって、単純に希望のサイズにあったものを建てれば良い、という話ではありません。法律や設置する地面など、色々と検討することがあります。

まずは、テント倉庫とはいったいどのようなものであるのかを抑えておきましょう。

1-1.テント倉庫の法律と形状や大きさ、用途

テントで造られた建物をテント倉庫と総称することがありますが、実は「テント倉庫」には法律で形状や大きさ、用途に決まりがあります。「平成14年国土交通省告示第667号テント倉庫建築物の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める件」という長い名前の法律(告示)で決められています(名前が長いので「平成14年国交告第667号」と略されます。テント業界では「667」だけで通じます)。

テント倉庫とはまずその名前に出ているように用途が倉庫に限られています。中で組み立てなどの作業をする作業場や工場の様な使い方やフットサルやテニスなどのスポーツ練習場として使う場合は法律上「テント倉庫」ではなくなってしまいます。同じ形でもどうしてこのように法律で分けられてしまうかというと倉庫というくくりでは、常時人が中にいないという前提があるからです。

常時人がいることが想定されるとその人たちの安全を確保しなければならないので建物の強度や換気・採光などの環境を高めたり、火災時の避難を考えた作り方にする必要があるのです。逆に言うと「テント倉庫」は用途や形状、規模を限定することで必要なだけの設計に絞ることができ、安く建てることができるのです。

1-2.形状

テント倉庫 屋根の形状/切妻(山型)、片流れ、円弧

形状としては屋根と壁があることとされています。建物なので当然だといわれる方もいるかもしれませんが、テントの建物には屋根はあっても側面は解放で壁がないものもあります。「テント倉庫」は壁が側面のすべてにある必要があります。その理由は開口部をなくすことによって風が建物の中に入って屋根を吹き上げる危険性がなくなるのでそれに耐える強度を軽減できるからです。屋根の形状は切妻(山型)、片流れ、円弧のシンプルな3タイプに限定されています。

1-3.構造と大きさ

テント倉庫 構造と大きさ

構造は鉄骨造の骨組みに膜材料(シート)を張ったものです。屋根材・外壁材が薄い膜材料ですので他の建築材料に比べ格段に軽量という特徴があります。そのため、それを支える構造も軽量にでき、大きな空間を柱無しで造ることができます。

スタンダードな膜材料は防炎品ですが可燃物を保管する場所や隣の建物や土地との距離によってもらい火を受ける可能性のある延焼の恐れのある部分に建てる場合に使用しなければいけない不燃材料の認定を受けた膜材料もあります。

大きさの制限は広さが1000㎡以下で平屋、軒の高さ(切妻屋根、円弧屋根の場合低い部分の高さ、片流れ屋根の場合高い側の高さ)が5m以下、間口は30m以下です。もちろんこれ以上の建物もテントで建てることはできますが、「テント倉庫」の基準では建てられないので金額は上がります。建築コストを抑えるためにはこれらの基準内で計画されることが重要です。

1-4.「テント倉庫」の条件

テント倉庫の条件

■「テント倉庫」の条件

  • 用途:倉庫
  • 規模:1000㎡・階数:1階・軒の高さ:5m以下・間口:30m以下
  • 屋根と壁(すべての側面)があること。
  • 屋根の形状:切妻(山型)、片流れ、円弧
  • 構造:鉄骨造の骨組+膜材料

2.テント倉庫のメリット・デメリット

テント倉庫のメリット・デメリット

テント倉庫には色々なメリットがありますが、デメリットもあります。具体的な用途、施工期間、使用年数などよく考えて最適なものを建てましょう。

2-1.メリット

  • 基本構造が基礎、鉄骨、生地とシンプルな構成の為、確認申請が通ってから1か月程と施工期間が短い(500㎡クラスの場合)。
  • 建築費用が安い。
  • 屋根・壁材が生地で軽量な為それを支える骨組みの鉄骨も軽量にできる。
  • 建物重量が軽いので基礎も小さくできる(軟弱地盤以外)。
  • 作りがシンプルなので施工期間が短い。
  • テント倉庫の基準(平成14年国交告第667号)内であれば過剰な強度を排除した経済設計ができる。
  • 屋根材が生地で軽量な為、柱無しで大きなスパンが可能(30m以内)。
  • 三角地等いびつな形でも対応可能。
  • 薄い色の生地を使えば室内が明るい。

2-2.デメリット

  • 屋根・壁の生地は紫外線劣化するので、10年を目安に張替の検討が必要。
  • 使用用途が倉庫のみと限られる(平成14年国交告第666号の基準では対応可能)。
  • 壁面も生地の為、カッター等で切り裂いて侵入が容易。
  • 夏場室内が暑くなる。
  • 気象条件により結露が発生する場合がある。

3.知らないと損をするテント倉庫を安く建てる方法

「テント倉庫を建てたいと思って見積もりを取ったけど思ったより高かった。」
導入にあって、色々な問い合わせが来ますが、よくある相談が実際に結構費用が高い、という相談です。実は、計画次第でテント倉庫を安く建てる方法があるのです。設計が大事だとはよく言われる話ですが、それはテント倉庫も同じです。

3-1.テント倉庫の基準に適合させる

テント倉庫 構造と大きさ

テント倉庫には基準がありその範囲内で計画すれば経済設計で建てることができます。

  • 用途:倉庫
  • 規模:1000㎡・階数:1階・軒の高さ:5m以下・間口:30m以下
  • 屋根と壁(すべての側面)があること。
  • 屋根の形状:切妻(山型)、片流れ、円弧
  • 構造:鉄骨造の骨組+膜材料

なおかつ、延べ面積が200㎡以下であり張り間(間口)が8m以下であれば構造計算を要しないので、そのコストも削減できます。

3-2.建築場所

テント倉庫 建築場所

敷地に余裕があれば今建っている建物や土地の境界線から距離を離して計画をしましょう。具体的にはテント倉庫は平屋が前提ですから隣りの土地との境界線から3m、接する道路の中心線から3m、同じ土地の中にある建物から6m(相手が2階建て以上であれば10m)以上離すのです。この範囲内は「延焼のおそれのある部分」と言って火災が起こった時に火の粉がかかりやすい場所であるので、火の粉に強いもので造る必要があります。テントでも不燃認定をとった生地を使用しなければなりません。この材料は通常の防炎生地と比べ高価なので金額が一気に上がります。

3-3.収納物

テント倉庫には不燃物を保管するようにしましょう。これにも火災に対する予防に関係があるのですが、万が一火災が起こりテント倉庫内に火の粉が入ったとしても保管してあるものが不燃物やそれと同等以上に火災の発生のおそれの少ないものであれば火災が広がる可能性が少なくなるので、価格の安い防炎生地を使ってテント倉庫を建てることが認められています。

3-4.基礎

テント倉庫 基礎

基礎工事については、コンクリートの手配や残土処理の問題があり地元の業者さんの方が安くできます。図面の提示や打合せは協力いたします。

4.テントは建築物か?

テントは建築物?

テント倉庫を検討中のお客様からよく聞かれることの一つが確認申請です。事前に最低限の必要な知識は得ておきましょう。もちろん、当社にご相談を頂くことも可能です。

4-1.テントと確認申請

お客様とお話ししている中で「テントでも確認申請が必要ですか?」と聞かれることがよくあります。テントは確認申請がいらないと思っている方も多いのですが、答えは「必要です」。確認申請とは一定規模の建築物を建築する場合に各管轄地区の建築主事に申請書を提出して建築基準関係の規定に適合しているかの確認を受け、確認済証の交付を受けることです。建築物とは建築基準法において「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」(法第2条の2)と規定してあります。テントも屋根と柱(壁)があって地面に立っているので「建築物」になります。したがって確認申請をする必要があるのです。

4-2.申請が必要ないケース

確認申請をしなくてもよい場合もあります。

一つは防火地域及び準防火地域以外の場所で床面積の合計が10㎡以内の増築、改築、移転をする場合です。たとえば、すでに建物が建っている敷地内に9㎡の自転車置き場や物置を作るといった場合は申請が免除されます。

二つ目は役所がそのものを「建築物」として取り扱わない場合です。キャンプテントや運動会用のテント、巻上式テント、軒出しテント等一時的な使用を目的として簡単に撤去や生地の取り外しができる小規模なもの。海水浴場の店や休憩所等で屋根が生地で取り外しが自由であり、永続的屋内空間を生み出さない施設などがあります。但し、個別の案件ごとに状況も異なるので管轄の建築主事と事前に相談しておくことが重要です。

確認申請の手続きを正しく行わずに建築してしまうと「違反建築物」となってしまい、是正や撤去などの行政命令を受けます。将来、事務所棟や工場・倉庫等大がかりな増築や改修を行う際に違反建築物があると確認申請を受け付けてくれないことにもなるので注意が必要です。

5.テント建物の基礎について

テント建物の基礎

テントでも基礎は重要です。仮に台風で何かしら事故が起こってしまった後でもどうにもなりません。ここでは、基礎について解説します。

5-1.基礎の必要性

テント倉庫や上屋テントといったテントで造られた建物でも土台となる基礎は必要です。「テントだから基礎はいらない」と思っている方もいますが風や地震等の力がかかった時に持ち上がったり、倒壊したりして大変危険です。人身事故や物損事故にもなりかねません。

アスファルトや地面に杭を打って固定してあるテントを見かけることもありますが、それだけでは十分ではありません。もちろん確認申請が取れませんので違法建物となります。

やはり本建築と同じく建物として基礎は必要ですが、テントの場合は本建築の建物と比べて建物重量が軽いので基礎の大きさもおおむね小さくて済み、この部分でもコストダウンになります。但し、建てる場所の地盤が悪い場合は地盤改良やくい打ちが必要になる場合もあります。

5-2.基礎の種類

テントでは「独立基礎」「布基礎」「べた基礎」が多く使われます。

独立基礎

  • 柱の部分ごとに独立して設けられる基礎。
  • 柱の数が少ない場合はコストが安くできます。
  • 上屋テントのように壁がなく柱が独立している場合に使用します。
  • 建物内の土間部分はアスファルトや砕石等、用途により別に計画が必要です。

布基礎

  • 建物の柱が建つ外周部分に連続して設けられる基礎。
  • テント倉庫のように柱が連続して設置され壁面を形成する構造の場合に使用します。
  • 柱の数が多い場合独立基礎では基礎同士が隣接してしまいコストが高くなってしまうので一体とした布基礎にすることでコストを押えます。
  • 建物内の土間部分はアスファルトや砕石等、用途により別に計画が必要です。

べた基礎

  • 柱部分の「独立基礎」や外周部分の「布基礎」と建物内の土間部分を一体として作られる基礎。
  • 建物の荷重は「独立基礎」「布基礎」部分で支持します。土間部分のコンクリートの厚みは中に入れるものや使用用途により検討をします。

6.テント建物の修理・張替

テント建物の修理・張替

大型台風などでテント生地が破れて、すぐに対処して欲しい!という相談もよく来ます。日頃からテントシートの状況をチェックすることはあまりないかもしれせんが、10年を経過したかどうかが一つの目安です。業務を止めないためにも、修理や張替えについて知っておきましょう。

6-1.テント生地の破れについて

テント倉庫 生地の破れ

修理の依頼で多くお問合せを頂くのが「生地の破れ」についてです。原因として劣化によるものと追突や接触などの事故によるものがあります。後者の場合の修理方法としては破損範囲が小さければ補修用のテープを使って修理することができます。

補修用テープはテント生地に接着剤が塗布してあり、粘着テープ状になっているので。お客様自身でも貼り付けるだけで簡単に修理することができます。但し、生地自体が劣化している場合は補修テープの接着強度がでないのでこの方法は向きません。貼った部分がすぐにはがれてしまう危険性があります。

6-2.テント生地の劣化について

生地が劣化している場合は張替をおすすめします。生地は紫外線や風雨にさらされ劣化していきます。当店では設置後10年を目安に張替をおすすめしています。

設置場所や使用状況にもよりますが15年以上経過すると表面をコーティングしている樹脂の硬化が進行し、少しの衝撃でも生地が破れてしまいます。特に屋根面の生地は紫外線を多く浴び続けています。手元で確認できる壁部分はそれほど痛んでいなくても屋根部分は状態が異なるので注意が必要です。

台風によって破れて被害を受けたテントは、ほぼ、この様に年数のたったテントです。また、劣化したテントからは雨水が浸入し骨組みの鉄骨までも痛めてしまい、テント自体の寿命を縮めてしまいます。

6-3.張替えとテント倉庫の稼働維持にシートキャップ法

テント倉庫 シートキャップ法

テントの張替をするには中の荷物を一時搬出していただかなければいけません、どうしても動かせないものは養生して作業をしますが、張替時には生地についた長年のほこりが舞いあがり、汚れてしまう可能性があります。搬出する場所がない。搬出の手間や時間がかかりすぎる。そのようなテント倉庫の修理にはシートキャップ工法があります。

シートキャップ工法は屋根部分の既存の生地の上に新しい生地をかぶせる形の修理方法です。新しい生地はテントの軒部分にパイプを取付しそのパイプにロープ固定します。工事はテントの外側から行うのでテント内の業務を止めることなく修理をすることができます(換気扇などの設備がついている場合は一時、テント内での作業が発生する場合があります)。生地の材料代も屋根部分のみで済むので痛んだ屋根部分のみの対応策として安価に行えます。

予期せずテントが破れてしまうと倉庫内の荷物や商品をダメにしてしまいかねません。特に台風や大雪の時などは被害が集中してしまうので通常よりも復旧までの時間がかかってしまいます。製造のサプライチェーンにおいては後工程にも影響を及ぼしてしまいます。定期的に点検を行っていただき、メンテナンスを施すことは事業のリスクマネジメントの一つとなります。

テント倉庫 製品一覧

テント倉庫 張替え・修理

各種ご案内

テント倉庫ベストプライス(最低価格)保証

ベストプライス(最低価格)を保証しています。お問い合わせはお気軽に。

電話でお問い合わせ(フリーダイヤル)

0120-2210-15営業時間:平日9:00~17:30(土日祝日除く)

コールセンターへお電話頂いた際に、お客様にお伺いする内容はこちら

安心価格・安心見積・安心施工・安心実績・安心サポート

PAGETOP